旧約聖書のこころ―詩編―(再)


詩編 第37編(1)

悪事を謀る者のことでいら立つな。
不正を行う者をうらやむな。

“まず、この「悪事を謀る」、「いら立つ」という言葉が対応しています。”by雨宮神父

<今日のポイント>

“いら立つ”の意味/詩編37編1節/悪事を謀る者のことでいら立つな。/1,ねたむ夫が嫉妬にかられて、妻に疑いを抱くなら...(民数記5:14)/2,羨むラケルは...姉をねたむようになり、(創世記30:1)/3,熱望する「わたしは万軍の神、主に情熱を傾けて仕えてきました。」(列王記上19:10)/4,嫉妬深い怒りに駆り立てる彼らは...わたしのねたみを引き起こし(申命記32:21)

担当者トマ子のつぶやき

「いら立つな」との諭しから始まる詩編37編。
悪人に心揺さぶられる人を前に、
詩編作者はどんな道を説くのでしょうか。
今回はその第一段落を解き明かしていただきます。

実は今日の詩編はしっくりきませんでした。
詩編作者が諭す相手は、
悪事を働いて繁栄している者に苛立っている人。
その人に、
“主の道に従って歩み、救いに入ろう”と言うのですよね。

それよりは、
“ああいう人は、いつかだめになるよ。
だから私たちは、一歩一歩誠実に歩んで成功しよう”
となだめる方が、しっくりきます。
きっと怒りと妬みでいっぱいで、
神様も救いも眼中にないからです。

ただ、自分自身のことを思えば、
そうなだめられても、それだけでしっくりくるわけではなく…
本当は、そういう時こそイエス様を必要としています。
それなのに、怒りに囚われ続けたり、
別の何かを求めたり…。

この“救いに入ろう”という言葉も、
そんな暗闇の中で語られた言葉なのでしょうか。
それなら、私はただ「アーメン」と言って、
主の御元に跪きたいと思います。


旧約聖書のこころ―詩編―(再)
雨宮 慧
(カトリック・東京教区司祭、上智大学神学部名誉教授)

40 詩編 第37編(1)

聴取期限1/15
(約23分)