詩編 第37編(2)
主は御自分に逆らう者の腕を折り
従う人を支えてくださる。
“主に逆らう者と従う人が描き分けられています。”by雨宮神父
<今日のポイント>
“悪事を謀る者に苛立つな”
との諭しから始まった詩編37編。
今回の第2段落では、
“神に逆らう者”と“神に従う人”が語られます。
一貫して、その違いが強調されていますが、
どう受け取ったらいいのでしょうか。
今日の箇所を読み、
まず“神に逆らう者”の姿がはっきりと伝わってきました。
主に従う人、貧しい人を倒そうとし、
剣を抜き、弓を引き絞る。
更に権力も、富もある…。
けれど、肝心の“主に従う人”がどんな人か、
いまいち分かりませんでした。
主によって、敵からも、災害からも守られるけれど、
積極的にしていることは、
“憐れんで施す”のみ。
それ以外では、“無垢で、まっすぐに歩んでいる”
と語られるだけです。
正直、物足りないなと思ってしまったのは、
神に逆らう者に勝る行いと、
強い信仰が語られて欲しかったからです。
けれど、むしろ
特別なことはしない、ひっそりとした信仰者が浮かび上がってきました。
その姿から、
自分の行いや力ではなく
ただ、神様が、従う人を支えてくださっている…
そのことがじわじわと伝わってきました。
旧約聖書のこころ―詩編―(再)
雨宮 慧(カトリック・東京教区司祭、上智大学神学部名誉教授)
41 詩編 第37編(2)
聴取期限1/22
(約23分)